本日の名言
カルピスを濃いめに作ってやるような そんなだらしなさで愛したい
発言者:俵万智(『サラダ記念日』より)
俵万智さんってどんな人?
1962年、大阪府生まれ。歌人。 早稲田大学第一文学部卒業後、神奈川県立の高校で国語教師として教鞭を執る傍ら短歌を詠み始める。
1987年、プロフィールの背景にもなる第一歌集『サラダ記念日』を出版。表題作をはじめ、日常の何気ない瞬間や現代の恋愛模様を、親しみやすい口語調(現代の話し言葉)で瑞々しく表現し、280万部を超える社会現象的な大ベストセラーを記録した。同作で現代歌人協会賞を受賞。
「一億人のライトバース」と呼ばれる短歌ブームの火付け役となり、伝統的な短歌のイメージを「身近でポップな文学」へと一変させた、現代短歌界の第一人者である。その後も、育児をテーマにした『プーさんの鼻』など、人生のステージに寄り添った歌集を多数発表し、幅広い世代から愛され続けている。
私の説明
おはようございます。
2026年7月7日
今日、7月7日は「七夕」ですね。夜空を見上げて天の川に願い事を……というのも素敵ですが、実は今日、もう一つとてもロマンチックな記念日であることをご存知でしょうか。
本日、7月7日は「カルピスの日」です。
今から100年以上前、1919年の7月7日に日本初の乳酸菌飲料としてカルピスは誕生しました。あのおなじみの青いパッケージに広がる「水玉模様」は、実は天の川(ミルキーウェイ)をイメージして作られたもの。七夕の夜に生まれた、まさに星の運命を背負った飲み物なのです。
そんなカルピスの日に、私がどうしても思い出す、あまりにも美しく、切ない、一つの短歌があります。
歌人・俵万智さんが世紀のベストセラー『サラダ記念日』の中で詠んだ、この一首です。
「カルピスを濃いめに作ってやるような そんなだらしなさで愛したい」
今日はこの特別な記念日に、この短歌が教えてくれる「愛のさじ加減」について、少し語らせてください。
「濃いめのカルピス」が持つ、大人の背徳感と甘やかし
子供の頃、お中元などで貰ったカルピスのガラス瓶を前に、ワクワクしながらコップに原液を注いだ記憶はありませんか?
「これくらいかな」と水を入れて、ちょっと薄かったり、逆に濃すぎたり。親からは「そんなに濃くしたらすぐなくなっちゃうで書!」なんて怒られたりして。きちんと計量スプーンで測るような「正しさ」のなかで、私たちは育ってきました。
だからこそ、大人になってから自分のさじ加減であえて作る「濃いめのカルピス」には、どこか小さな背徳感と、最高の贅沢感が同居しています。
俵万智さんは、その「濃いめに作ってしまう」という、ちょっと自分を甘やかすような心の緩みを、「だらしなさ」という抜群の言葉で表現しました。
正しいレシピ通りじゃなくていい。ちょっとくらい贅沢で行儀が悪くてもいい。
「あなたを喜ばせたいから、ちょっと濃くしちゃうね」という、あの愛おしい境界線の緩さ。それこそが、この短歌の真髄だと思うのです。
正しさよりも、心地いい「だらしなさ」で人を愛したい
現代の私たちは、仕事でもプライベートでも、つい「正しさ」や「効率」を求めがちです。
ギブ・アンド・テイクのバランスを気にしたり、相手に求めすぎないように自分を律したり、傷つかないためのスマートな距離感を保とうとしたり。
でも、誰かを愛することって、本来もっと泥臭くて、アンバランスで、「だらしない」もののはず。
計算通りにいかないからこそ愛おしい。
相手を甘やかし、自分も甘える。
そんな「濃いめのカルピス」を作る時のような、ちょっとしたマニュアル破りの優しさが、お互いの関係をギリギリのところで救う夜だってあるのではないでしょうか。
「ちゃんとしなきゃ」と自分を縛る糸を少しだけ緩めて、大切な人(あるいは、いつも頑張っている自分自身)に、過剰なほどの甘さと濃厚さを注いであげる。そんな愛し方があってもいい。そう思いませんか?
今日は一粒万倍日の七夕。いつもより少し「濃いめ」の一歩を
しかも、本日2026年7月7日は、暦の上でも「一粒万倍日」という、蒔いた種が万倍になって実る吉日が重なっています。さらに本格的な暑さが始まる「小暑(しょうしょ)」の節入り日でもあります。
夏の始まりを告げる今日という日に、誰かを、あるいは自分を「濃いめに甘やかす種」を蒔くのには、これ以上ないタイミングです。
きっちり冷えた水で、黄金比率通りに作るカルピスももちろん美味しい。
でも今夜は、スーパーでカルピスのボトルを買って帰って、いつもより少しだけ原液を多めにトッピングしてみませんか?
その甘酸っぱさと、ちょっとした背徳感。
それこそが、私たちが大人になってなお恋焦がれる、「愛の味」そのものかもしれません。
今夜、あなたの淹れるカルピスが、心地よく、だらしなく、甘い一杯になりますように。