本日の名言
優れた戦略も、拙い運用によって台無しになる。しかし、平凡な戦略でも、優れた運用によって勝利に導くことができる
発言者: カルロス・ゴーン(経営者)
カルロス・ゴーンさんってどんな人?
肩書:実業家・経営者(元日産自動車CEO、ルノーCEO、三菱自動車会長など)
生年月日:1954年3月9日(ブラジル出身、レバノン国籍)
主な功績:
- 経営難に陥っていた日産自動車のCOO(のちCEO)に就任し、「日産リバイバル・プラン」を断行。わずか数年でV字回復を成し遂げ、「コストカッター」「名経営者」として世界的な称賛を集める。
- 日産、ルノー、三菱自動車による巨大アライアンス(連合)を率いた。
その後の経緯:
- 2018年11月、金融商品取引法違反などの容疑で東京地検特任部に逮捕される。
- その後、保釈中にレバノンへ出国・逃亡し、現在も係争中。
私の説明
おはようございます。
2026年8月5日
どれほど素晴らしい計画を立てても、現場が回らなければ意味がない――。ビジネスの現場やプロジェクトの最中で、そんな壁にぶつかったことはないでしょうか。
日産自動車の再建などで知られる経営者、カルロス・ゴーン氏はかつてこう述べています。
「優れた戦略も、拙い運用によって台無しになる。しかし、平凡な戦略でも、優れた運用によって勝利に導くことができる」
私たちは、新しい事業を始めるときや、大きな企画を立ち上げるとき、「どれだけ凄い戦略を立てるか」にばかり意識を奪われがちです。しかし、本当に勝敗を分けるのは、日々の泥臭い「運用」の力ではないでしょうか。
ちょうど本日、2002年8月5日は「住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)」の運用が開始された記念すべき日です。この歴史的な出来事を振り返りながら、ゴーン氏の名言が示す「システム運用の本質」について深く考えてみたいと思います。
1. カルロス・ゴーンの名言が意味するもの
ゴーン氏の言葉の深さを理解するために、まずは「戦略」と「運用」の役割を整理してみましょう。
- 戦略(設計図):どこへ向かうか、どのようなゴールを目指し、どんなリソースを配分するかという「計画」。
- 運用(実行力):その計画を日々の業務としてどう回し、予期せぬトラブルにどう対処し、現場に定着させるかという「日々の営み」。
どれほど緻密で美しい戦略であっても、いざ現場で動かしたときに「使い勝手が悪い」「現場の負荷が高すぎる」「トラブル時のマニュアルがない」といった状態であれば、あっという間に崩壊します。これが「拙い運用によって台無しになる」状態です。
一方で、スタート時点の計画に多少の粗さや平凡さがあっても、現場が知恵を絞り、柔軟に軌道修正を重ね、粘り強く運用をブラッシュアップしていけば、最終的には大きな成果(勝利)を手にすることができます。
2. 歴史的事件から見る「運用」の重み(2002年8月5日 住基ネット開始)
この「運用の重要性」を語る上で避けて通れないのが、2002年8月5日に第一次稼働をスタートさせた「住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)」です。
| 項目 | 内容 |
| 運用開始日 | 2002年(平成14年)8月5日 |
| 国家としての戦略 | 全国の市区町村をオンラインで結び、行政サービスの利便性向上や住民票の写しの広域交付などを目指した壮大なIT国家プロジェクト。 |
| 直面した運用の壁 | プライバシー保護やセキュリティへの懸念、システム障害への不安、自治体ごとの対応のばらつきなど、現場の運用において数々の課題が浮き彫りに。 |
住基ネットは、日本全国の行政手続きを効率化するという、国にとって極めて「優れた(目指すべき)戦略」のもとにスタートしました。しかし、実際に動き始めると、セキュリティやプライバシーに対する国民的な議論が巻き起こり、システムトラブルや自治体現場での運用負荷が大きな問題となりました。
「システムを作って終わり(計画の完了)」ではなく、「そこからどう運用し、国民の信頼を得て社会に定着させるか」という運用のフェーズこそが、プロジェクトの成否を握る本番だったのです。
3. 私たちの仕事やビジネスへの応用
この住基ネットの歴史やゴーン氏の言葉は、日々のビジネスや私たちが進めるプロジェクトにもそのまま当てはまります。
- 「完璧な計画」を待つことの罠:いつまでも完璧な企画書や戦略を練っているうちに、市場のタイミングを逃したり、現場の温度感が下がったりすることがあります。完璧な戦略を最初から目指すより、動きながら修正できる体制を整える方が現実的です。
- 現場の運用力を高める:どれほど上の人間が素晴らしい戦略を思いついても、それを実行する現場のオペレーションが疲弊していては意味がありません。現場が無理なく回せる仕組みや、トラブルに強い柔軟な運用フローをデザインすることがリーダーの重要な役割です。
- 継続的な改善(PDCA)の泥臭さ:華やかな戦略よりも、地道なエラーチェック、フィードバックの回収、日々の改善の積み重ねが、長期的な勝利をもたらします。
まとめ:明日からどう行動すべきか
戦略の美しさや、聞こえのいい計画に酔いしれてしまうことは誰にでもあります。しかし、本当に成果を出す人間や組織は、例外なく「日々の地道な運用」を疎かにしません。
2002年8月5日の住基ネット稼働という歴史的な日をきっかけに、私たちも自分の仕事やプロジェクトを見つめ直してみましょう。
今、あなたが抱えている仕事がうまくいっていないとしたら、それは「戦略」が悪いのではなく、「運用(どう回すか)」に綻びがあるのかもしれません。戦略を見直す前に、まずは日々の運用を丁寧に見直し、現場の実行力を磨き上げていきませんか?