本日の名言
暑い時には暑いと言い、
寒い時には寒いと言うのが、いちばんいい
発言者:釈宗演(明治時代の禅僧)
釈宗演さんってどんな人?
生没年: 1860年(万延元年)〜 1919年(大正8年)
主な肩書: 臨済宗の僧侶、哲学者、宗教家
主な功績:
- 日本の禅文化を初めて欧米に広く紹介した国際的な禅僧。
- 1893年にシカゴで開催された「世界宗教会議」に参加し、英語で演説を行って西洋社会に「ZEN(禅)」という言葉と思想を浸透させた。
- 弟子である鈴木大拙(すずきだいせつ)を補佐として渡米させ、世界の禅研究の礎を築いた。
人物像・思想:
- 非常に柔軟でグローバルな視野を持ちながらも、本質的な禅の教えや「ありのままに生きる」というシンプルで力強い智慧を説いた。難解な教義をわかりやすく伝える姿勢は、現代に通じる魅力を持っています。
私の説明
おはようございます。
2026年7月22日
厳しい暑さが続く毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。本日7月22日は、二十四節気の「大暑(たいしょ)」。1年の中で最も暑さが厳しくなり、夏の盛りを迎える頃とされています。
一歩外に出るだけで容赦なく照りつける太陽、アスファルトからの熱気。あまりの暑さに「暑い」と言うことすら億劫になり、「早く涼しくならないかな」と心の中でため息をついている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな真夏の盛りに、明治時代の著名な禅僧・釈宗演(しゃくそうえん)が遺した、少しユニークでハッとさせられる名言をご紹介します。
「寒い時には寒いと言うのが、いちばんいい」
——釈宗演
大暑の日に「寒い」? と思わず首をかしげてしまうかもしれませんが、この言葉には、私たちが日々の生活で忘れがちな「心を軽やかに生きるヒント」がたっぷりと詰まっています。
「暑い」のに「寒い」? 禅僧が伝えたかったこと
明治という激動の時代に活躍し、日本の禅を世界に広めた偉大な僧侶である釈宗演。彼が残したこの言葉の真意は、一体どこにあるのでしょうか。
私たちは日常の中で、無意識に「こうあるべき」「こう言わなければならない」という枠組みを作ってしまいがちです。たとえば、真夏であれば「暑いと言ってはいけない(愚痴っぽく見えるから)」「元気で涼しげな顔をしていなければならない」といった、周囲の目や世間体を気にしてしまうことがあります。
あるいは、自分の本当の感情に蓋をして、「これくらいは大したことない」「我慢しなきゃ」と無理にポジティブを取り繕うこともあるでしょう。
しかし、釈宗演の教えは非常にシンプルです。
「寒い時には寒いと言い、暑い時には暑いと言う。ただそれだけでいいのだ」
つまり、目の前で起きている現実や、自分自身が心の底から感じている感覚に対して、嘘をつかず、飾り立てず、ありのままを受け入れることの大切さを説いているのです。
現代人が抱える「暑さストレス」の正体
大暑を迎えた現代の私たちは、四六時中エアコンの効いた快適な室内に守られています。しかしその一方で、一歩外に出れば猛烈な暑さが襲いかかり、室内と屋外の激しい温度差に自律神経はボロボロ。身体だけでなく、心まで「夏バテ」を起こしてしまいます。
ここで厄介なのが、身体の疲れ以上に「心の我慢」です。
「みんなも頑張っているんだから、弱音を吐いちゃいけない」
「こんなことで疲れているなんて情けない」
そんな風に、自分の素直な感覚を抑え込んでいませんか? 実はこの「我慢の積み重ね」こそが、現代人の心をすり減らす大きな原因になっています。暑いものは暑い、しんどいものはしんどい。そう素直に認められないことが、かえってストレスを増幅させてしまうのです。
「ありのままを受け入れる」という贅沢
もし今日、この大暑の日に「あぁ、寒いくらいに涼しい部屋が恋しい」「こんな暑さじゃ何もしたくない」と思ったなら、その気持ちを心の中で、あるいは信頼できる人の前で、そのまま認めてあげてください。
「そうか、自分は今、この暑さにまいっているんだな」
「それだけ頑張って生きているんだな」
禅の世界には「随処作主(ずいしょさくし)」という言葉があります。「どんな場所にいても、どんな状況であっても、自分自身の主人となりなさい」という意味です。
世間の評価や、「こうあるべき」という固定観念に振り回されるのではなく、「今、自分は何を感じているか」という自分の中心(軸)に立ち返ること。それこそが、どんな過酷な環境の中でも心を失わずに生きるための秘訣です。
大暑の日に「寒い」と言うのは、単なる矛盾した言葉遊びではありません。それは、「自分の感情や感覚に素直になり、無理な見栄や我慢を手放す」という、極めて現代的なマインドフルネスの智慧なのです。
今日という一日を、あなたらしく
本日は、1年で最も暑さが厳しい「大暑」の真っただ中。
もし今日、あまりの暑さに心が折れそうになったら、無理に笑顔を作ったり、ポジティブな言葉で自分を奮い立たせようとしたりしなくて大丈夫です。
「暑いものは暑い!」と心の中で潔く認め、冷たいお茶でも飲みながら、ほんの少しだけ肩の力を抜いてみてください。そして、ご自身の心と体をたっぷりと労わってあげましょう。
ありのままの自分を受け入れたとき、不思議と心の風通しが良くなり、この厳しい夏の季節もしなやかに乗り越えていけるはずです。