本日の名言
本音を吐く本人が、吐いてることに自己陶酔して、
他人に感動を強いようとする、 そういういやらしさを、近頃の小説や短歌に感じる。
発言者:田辺聖子(小説家・エッセイスト)
田辺聖子さんってどんな人?
「おせいさん」の愛称で親しまれた、大阪が生んだ稀代のストーリーテラーです。芥川賞受賞作『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』をはじめ、恋愛小説やエッセイ、古典の新訳(『新源氏物語』など)まで幅広く手掛けました。大阪弁を駆使した軽妙洒脱な筆致で、男女の機微や人間の愚かさを、慈しみと鋭い毒を交えて描き続けた、昭和から平成を代表する女性作家です。
私の説明
おはようございます。
2026年4月4日
はじめに
最近、SNSやブログで「本音で生きる」「ありのままをさらけ出す」といった言葉をよく目にしませんか? 確かに本音は大切ですが、一生懸命書いた「本音」が、なぜか読み手に引かれてしまったり、反感を買ってしまったりすることもあります。
そんなモヤモヤに対して、鋭い釘を刺してくれたのが作家の田辺聖子氏です。彼女が感じた「表現のいやらしさ」とは一体何なのか、一緒に紐解いていきましょう。
1. 「本音を吐く自分」に酔っていませんか?
田辺聖子氏は、最近の小説や短歌などの表現に対して、次のような違和感を投げかけています。
「本音を吐く本人が、吐いてることに自己陶酔して、他人に感動を強いようとする、そういういやらしさを、近頃の小説や短歌に感じる。」
「本音を言っている自分、かっこいい」「苦労している私、健気でしょ」……。 書いている本人が自分の言葉に酔いしれてしまうと、それはもはや表現ではなく、ただの「自己満足」になってしまいます。田辺氏は、その**「自己陶酔」**こそが、作品や言葉に「いやらしさ」を生んでしまう原因だと指摘しています。
2. 感動は「強いる」ものではない
もう一つの重要なポイントは、**「他人に感動を強いようとする」**姿勢です。 「これだけ本音を言ったのだから、感動して当然だ」「共感してくれないのはおかしい」という押し付けがましさが言葉の端々に見えると、読み手は逆に冷めてしまいます。
本来、感動とは読み手の心の中に自然に湧き上がるものです。発信者が「ここで感動しなさい」とコントロールしようとした瞬間に、言葉の魔法は解けてしまうのです。
3. 初心者が「心地よい表現」をするためのヒント
田辺氏の言葉を胸に、今日から意識できるポイントをまとめました。
• 一晩寝かせて読み返す: 書いている最中の熱狂(自己陶酔)から一度離れ、冷静な読者の目で見直してみましょう。
• 「事実」と「感情」のバランスをとる: 感情だけをぶつけるのではなく、何が起きたのかという背景を丁寧に書くことで、読み手が自然に共感できる「余白」を作ります。
• 相手に委ねる勇気を持つ: 「感動させよう」と力まず、「自分の体験をそっと手渡す」ような気持ちで書いてみましょう。
おわりに
田辺聖子氏の言葉は、表現者にとって耳の痛いアドバイスかもしれません。しかし、自分の言葉を客観的に見つめる視点を持つことは、誰かの心に本当に届く言葉を紡ぐための第一歩です。
「酔わない、強いない、押し付けない」。 この三拍子を意識して、あなたにしか書けない、優しく心に響く「本音」を届けてみませんか?
田辺聖子さんをもっと学びたい人はこの本がおすすめです!
『言い寄る』(文春文庫)
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