文字とは【井筒俊彦の名言】

本日の名言

文字とは、 インクのいろいろな形に 社会的慣習、
つまり人間の取りきめによって 意味が付託されたものなのです。

発言者:井筒俊彦(言語学者、イスラーム学者)

井筒俊彦さんってどんな人?

20世紀を代表する日本の知性であり、30以上の言語を操ったと言われる天才語学者・哲学者です。イスラーム哲学の権威として世界的に知られ、東洋哲学や神秘主義を横断的に研究する「共時的構造分析」を確立しました。その深い洞察は、宗教や文化の壁を超えた普遍的な知を提示し続けています。

私の説明

おはようございます。

2026年2月27日

「あの人に言われたあの一言が、どうしても許せない」 「メールの文字を読み返しては、落ち込んでしまう」

私たちは毎日、たくさんの「文字」に囲まれて生活しています。そして、その文字に一喜一憂し、時には深く傷つくこともありますよね。

今日は、日本が生んだ天才的な言語学者・井筒俊彦の言葉から、私たちが縛られている「文字」の正体について考えてみましょう。

文字の正体は、ただの「インクの形」?

井筒俊彦は、文字の本質をこのように説明しました。

「文字とは、 インクのいろいろな形に 社会的慣習、 つまり人間の取りきめによって 意味が付託されたものなのです。」

この言葉、少し冷静に考えてみると、驚くべきことを言っています。

例えば「愛」という文字。 これは、ただの複雑な線の集まり、つまり**「インクの形」に過ぎません。そこに「大切に思う気持ち」という意味があるのは、私たちが「この形をそういう意味にしよう」と勝手に約束(社会的慣習)**したからだというのです。

私たちは「約束」に振り回されている

私たちが文字を見て悲しくなったり怒ったりするのは、その「インクの形」そのものに力があるからではありません。

  1. インクの形を見る(ただの記号)
  2. 人間同士の約束を思い出す(意味の付託)
  3. 心が反応する

私たちは、自分たちが作った「約束(意味)」に、自分たちで振り回されているようなもの。井筒俊彦は、言葉の裏側にあるこの「カラクリ」を優しく教えてくれています。

言葉の「呪縛」を解くヒント

この考え方を知ると、人間関係やSNSで受けたダメージを少し和らげることができます。

  • 誰かに投げつけられたひどい言葉。
  • 自分を否定するような文章。

それらはすべて、もともとは「ただのインクの形」や「音の波」です。 「あぁ、今は人間同士の『約束』によって、このインクの形にトゲがあるように感じているだけなんだな」と一歩引いて眺めてみてください。

「文字」が持っている絶対的な力を一度リセットして、ただの「形」として眺めてみる。それだけで、言葉に縛られた心がふっと自由になります。

おわりに:新しい意味を書き込もう

もし、文字が「人間が決めた約束」に過ぎないのだとしたら、私たちはその意味を自分なりに解釈し直す自由も持っています。

「失敗」という文字を「経験」というインクの形として捉え直す。 「孤独」という文字を「自由」という約束に書き換えてみる。

世界は、私たちが付託した(託した)意味によって形作られています。 今日は少しだけ、あなたの周りにある「文字」を、ただの「面白いインクの形」として眺めてみませんか?

井筒俊彦さんをもっと学びたい人はこの本がおすすめです!